2020.06.29
コロナ禍に考察する
新型コロナウイルス感染症に関して、私ども医療従事者は破れた防護服など乏しい医療環境で頑張っております。しかしながら、日本政府の対応のまずさもあり、間違った認識をされ一部誤解もあります。正しい学会等からの認識を知ってもらう必要があります。
まず、感染症の基本は早期検査・早期隔離です。その点未だ日本だけはご存知のように検査が不徹底です。今は一部認められましたが、唾液による検査を早期にすべきでした。
それと、臨床を知らない素人に近い保健所にPCR検査の権限を任せたのが間違いでした。現に、アメリカのロサンゼルス郡1000万人では早期に唾液検査を導入し実施しています。ニューヨークでは医学生や獣医まで動員して検査を実施しています。
最も唾液検査を扱い慣れている歯科医や歯科衛生士によるPCR検査を早期に認めるべきでした。日本の官僚主義の弊害がまた露見しました。アベノマスクなどは論外で、あの500億があればシャープを中国系台湾企業に売り渡すことはなかったのにと悔やまれます。おかげで世界に誇るシャープ亀山工場の液晶技術を中国は杭州に1兆円規模の工場を建て、V字回復しました。今回シャープの高価なマスクに日本人が殺到したのはご存知の通りです。
小児科学会の見解によりますと学校や保育園でのクラスターはないかあるとしても稀で、それよりも心理的圧迫による健康障害の方が問題としております。子供の感染者はいますけれども、一般的に特殊な疾患を除き健康な子供の場合重症化は少なく、子供の感染はほぼ全て家庭内感染です。学会では教育・保育・福祉施設の閉鎖は感染流行防止の効果は乏しく、子供の心身を脅かしていると警告しています。子供は屋外で距離をとった活動をさせて、オンラインでの勉学を充実させIT後進国を返上しなければなりません。
また、歯科医院でのクラスターの発生がありましたが、スタッフ室で一緒に食事をとったことによるもので、診療室で院内感染は起きていません。コロナ対策には免疫力向上からも口腔ケアが大切で、江戸期の日本人は風通しのよい木造建築に住み、口臭の原因や細菌の培地になる舌の清掃もしておりました。実は徳川政権は豊臣秀吉による朝鮮出兵で国内 に蔓延した梅毒を鎖国により抑制し「赤ひげ」小石川養生所で知られているように、蘭学による西洋医学を取り入れ、天然痘の克服に努めました。
医療の最前線で働いているコロナウイルス感染外来の医療従事者はもちろん、感染のリスクが高い呼吸器内科医、耳鼻科医、歯科医、関連した看護師、歯科衛生士を守るべきです。医療崩壊を防ぐべきです。正確ではない感染者数で毎日一喜一憂するよりも、感染対策を施したうえで社会経済活動をしていかないといけません。このままだとコロナを克服した中国・韓国・台湾などに後れをとり、それでなくても日本はアジアの衰退途上国とされており、それが加速されます。コロナ対策に使った60兆円の国費はすべて次世代に莫大な借金として負担させることになるのですから。
わたしたちも原点に戻って、 コロナに立ち向かいましょう。