2023.02.01
日本の凋落
マーフィーの法則は「起こる可能性のあることはいつか実際に起きる」と言います。コロナ禍の中2022年は衝撃的な事件が続きました。
国家プロジェクトでの国産ジェットMSJの開発撤退に続き、この2月17日には日本のJAXAのH3大型ロケット打ち上げ中止の後、18日には北朝鮮は大陸間弾道ミサイル「火星15号」を打ち上げ、日本の排他的経済水域EEZに落下させました。このミサイルの後継である「火星17号」は液体ではなく固体燃料を用いており、奇襲で米大陸を照準にできるといいます。もちろんシェルターもない日本の都市は一発で沈みます。
その国の科学技術の力を示すこれらの航空機やロケット産業、かつて零戦やYS-11を輩出した日本の凋落はここまで深刻です。
北朝鮮の技術者は失敗すれば一族収容所へ送られるから命懸けで研究するしかなく、日本の技術者とは研究への姿勢が違うといいます。東大の上位30人に多い中国の留学生は、サークルとかバイトはせず大学と下宿の往復のみで必死に勉強するらしい。
最先端の研究の進行上頼るべき、自然科学の論文で中国は質量とも米国を抜いて世界一に、特にAI研究では論文数は米国の約2倍の4万3000本、日本は16-19年6位から12位まで下がっています。デジタル競争力はシンガポール2位、5位に香港、8位に韓国、日本は29位、コロナ禍で露見した低学歴国日本(5/20日経1面)が再現されます。
中国は合弁という形でノウハウをすべて出させ、吸収が終われば解消します。この方法で、新幹線を川崎車輌から技術移転し、世界に中国高速鉄道を作り、シャープは500億で中国系台湾企業に身売り、杭州に中国資本で1兆円の液晶技術の工場を建設しV字回復しました。日本政府は守りませんでした。以前の通産省なら身を張ってこれらを守ったと思いますが、、、 最後に残ったリニアの技術も中国がより早い記録をだしたそうです。日本が世界一席巻していた産業の根幹を支える半導体産業も、政府の無策により今や周回遅れで世界に追いつけないと言われます。
私の学んできた歯科医学でも、かつて敗戦時80年差がついていると言われ、我々のすぐ上の先輩達から船底で米国に渡り、敗戦国と人種差別に苦しみ、必死に欧米の学術を学んできました。
最新の2月19日の日経新聞では国内総生産GDPで米国、中国に次ぐ世界3位の日本にドイツが肉薄、近々インドに抜かれるとのことです。その内容が深刻で20年前と比較すると日本は1%しか増えていないのに米国も2倍、中国はなんと12倍になり、いずれ米国を抜くか否か、、、が議論されます。
実際の一人当たりのGDPはかつて韓国や台湾の2倍ありましたが、今は同じレベルの27位、世界の中等国に過ぎません。生活水準がそれなりに維持しており実感がないのは、国民一人当たり1000万円にもなる史上最高額の国の負債により辻褄合わせをしているからです。日本の国債のGDP比は262.5%で太平洋戦争時の戦時国債より大きく、深刻な累積政府債務に直面しています。
国民の平均給与年収も1995年から2021年にかけ96.9%にダウンしており公務員の給料以外は民間の給与は上がっておりません。自由な企業努力を許認可権で押さえる官尊民卑の日本です。
年純利益1兆円のソフトバンクグループSBGは2007年3月以降の15年間で法人税を支払ったのは4年に過ぎず(8/20日経1面)孫正義氏に比べ、片や有能な日本人ホリエモンは前科者ですか?これでは日本の若者が希望を持たないのも無理かねないと思う。
GDP3位に迫る同じ敗戦国ドイツは首相以下国を挙げての通商産業経済政策で、1995年から2021年にかけ年収は168.2%にアップしており、何より環境対策と両立、過去の反省により東独併合時の莫大な財政負担もほぼ無借金で切り抜けております。日本は戦前はアメリカ、戦後はドイツを模範にすべきだった。
日本の出生率は1975年に2.0を下回ってから低下傾向となっており2005年には1.26まで落ち込み、1.45前後を維持しております。この間に死亡者を考えると総人口は2053年に1億人を割って9924万人になると予測されます。特に、生産人口は2056年には5000万人を割り、その内でも年少人口は2056年には1000万人を切り少子高齢化が加速されます。
子供の発育状態に目を向けますと、甚大な学校健診のデータより、戦後から上昇を続けていた身長・体重ですが、身長は平成6~13年にピークを迎えその後横ばいの傾向。体重は平成10~18年あたりにピークを迎え、その後は減少傾向となっています。
体力・運動能力調査の基礎的運動能力については、高かった昭和60年頃と比較すると、依然低い水準で、コロナ禍の2021年、2022年の小学校のスポーツテストは史上最低を更新しました。運動習慣が2極化し、世界に通用しているアスリートをはじめスポーツで成績が向上している日本人は英才教育的な約20%であり、残りの80%は低下しています。
また、朝鮮半島の朝鮮人と西日本の日本人は人種的にはほぼ同じですが、平均体重で3㎏平均身長で3㎝差がついています。
このような日本の凋落は行財政改革、教育改革、少子化対策をとらなかったつけですが、これらの対策は次回に予定します。